殺しの天使「ドクツルタケ」について解説!

殺しの天使という言葉をご存じでしょうか!何か物騒なイメージですが、あちらこちらの山に生息しているドクツルタケの別名です。梅雨明けから翌年の春先まで多くの人が山に入りキノコ狩りを楽しみます。
そんな中、残念ながら毎年日本国内で、キノコ中毒事故が発生しています。そもそも殺しの天使といわれる故はなんでしょうか。
殺しの天使という名前は、見た目はきれいな白色なのに猛毒で人の命を奪うことで付いた名前です。殺しの天使の危険性について調査します。
殺しの天使「ドクツルタケ」の特徴
■特徴①日本で最も強い毒を持つと言われる毒キノコ
殺しの天使といわれるドクツルタケは、数多ある毒キノコの中でも致死率が高い猛毒を持っています。なんと1本で、人ひとりの命を奪ってしまいます。
しかしキノコは、動植物の死骸を分解して土壌に戻す役割を果たしています。この役割を知ると、殺しの天使のイメージが薄れます。
とはいえその毒の成分は、事件にもなったサリンガス以上の毒性です。決して口にしてはいけません。
■特徴②広葉樹林・針葉樹林に生息
この殺しの天使は、どのような場所に生息しているのでしょうか。日本や北半球のあちらこちらに分布しています。殺しの天使は、特に広葉樹林と針葉樹林が茂ってじめじめした場所に発生します。
このような場所には沢山生息しており、毒キノコか食べられるか区別するのは簡単ではありません。この殺しの天使は、雑草や枯れ葉の中で一際目だつ真っ白でスッと伸びるその姿です。
■特徴③小さいうちは円錐形
まばゆいくらいの白いドクツルタケですが、悪魔のような毒キノコ。殺しの天使といわれるわけが理解できます。成長過程では、傘が閉じて円錐形のつるっとした見た目です。鳥の卵と見間違えるほどです。
殺しの天使という異名をもつこのつぼみは、根の部分にあるツボといわれる部位から柄が成長していきます。真っ白でかわいらしい姿に、思わず触ってしまいたくなりますが殺しの天使に触ってはいけません。
■特徴④成長するとササクレで覆われる
ドクツルタケは、日本で3本の指に入る猛毒を持ったキノコです。その大きさは、10㎝前後の中型で、柄にはつばとササクレがあります。スラッとした柄と真っ白な見た目がまるで鶴が立っているようなイメージです。
見た目は美しいのに、人の命を奪う毒をもったギャップこそ殺しの天使といわれる理由があります。 8㎝ほどの柄にある、ぎざぎざ模様のササクレこそドクツルタケの特徴です。
■特徴⑤販売禁止の法律がある
ドクツルタケの特徴を知れば知るほど殺しの天使といわれることに合点がいきます。過去には、毒キノコによる事故が、日本中でニュースになっていました。その後自治体や役所などでホームページや通知でいかに危険な物かを発信しています。
しかし今もなお食あたりの事故はあとを絶ちません。毒キノコの事故を防ぐため2020年6月6日以降、食用でない植物について栽培や販売禁止の法律が定められました。
殺しの天使「ドクツルタケ」の中毒症状
■中毒症状①コレラ様症状
殺しの天使といわれるドクツルタケは、一家全滅という事故を引き起こしたこともありました。これこそ販売禁止の法律ができた理由のひとつです。殺しの天使といわれる猛毒により、どのような症状が現れるのか調査しました。
大きな特徴は、食べてから6時間ほどでコレラの症状を発症します。コレラとはコレラ菌が付着した食べ物で感染して腹痛や下痢を引き起こします。コレラに似た症状が出るものの、1日ほどで症状が治まることがありますが、数日後重篤な症状に見舞われます。
■中毒症状②激しい痛みを伴う消化管出血
殺しの天使、ドクツルタケを誤って食べてしまった時の症状は、コレラに似ています。腹痛や下痢といった症状ですが、痛みが一旦治まります。しかしここから殺しの天使が牙をむきはじめ、胃腸から出血が始まります。
また肝臓や腎臓を破壊していきます。さらに病状は、悪化して便からの出血が確認されることも。ここまで症状が進んだ場合いち早く救急車を要請して医療機関に行ってください。
■中毒症状③肝臓機能障害・黄疸
殺しの天使が持っているアマニタトキシンは、死亡率90%という猛毒です。この毒は、肝臓や腎臓などの臓器を破壊します。その結果肝臓がスポンジのような状態になり、劇症肝炎に至ることもあります。
劇症肝炎とは肝臓がダメージを受けることで機能しなくなり、意識がなくなります。肝臓に支障が出ると、目や皮膚に黄疸が発生します。殺しの天使が肝臓だけでなく、腎臓を脅かします。過去の治療例として、胃を洗浄して胆汁吸引や血液浄化の処置をしなければなりませんでした。
■中毒症状④腎機能障害・尿毒症
殺しの天使は、どれだけ猛毒で命の危険をもたらす病状になるか調査しました。もし悪化したら肝臓だけでなく、腎臓にも深刻な影響を与えます。臓器を破壊する恐ろしい殺しの天使は、腎臓の働きを止めてしまうため、尿がでにくくなります。
実際の症例でも毒キノコにより救急外来に運ばれ、腎機能低下、尿が出なくなり尿毒症を発症しました。適切な治療により徐々に尿意をもよおし回復しています。しかしこのように回復するケースは、わずかで命を落とすことが多い危険な中毒です。
殺しの天使「ドクツルタケ」の治療法
■食中毒症状が出たらすぐに医療機関へ
ドクツルタケをたった1本食べただけでも、命を落とすといわれる猛毒の殺しの天使は、症状に特徴があります。食べてから6時間以上たつと食あたりのような異変を感じます。しかし一旦下痢が治まり、少し楽になります。
これで治るんだろうと思いがちですが、数日たつと腹部に激痛がおこります。あっという間に重篤になり、手遅れになると死に至ります。手遅れにならないためにも食中毒のような症状が出たらすぐに救急外来に行ってください。
■治療法①胃洗浄
殺しの天使の猛毒は、侮ってはいけません。過去に数々の中毒症例が報告されていますが、食べてから6時間後に食中毒のような症状が現れます。その後一旦症状が治まりますが、事態は急変して内臓出血などを起こします。
これこそが殺しの天使の恐ろしさです。食中毒を起こしたらすぐに救急外来へ行ってください。外来での治療として、水や生理的食塩水を使って胃の洗浄を行います。何を食べたか医師に伝えることで処置がスムーズになります。
■治療法②血液透析
もしもドクツルタケを食べてしまったとき、胃の洗浄に加えて血液透析を行います。血液透析とは、血液中に入ってしまった毒や老廃物を除去する治療法です。実際の事例では、ある家族のお父さんが近くの山で大量のきのこを採り自宅で調理、食べた家族全員が食あたりを起こしました。
すぐ病院で治療を受け、一旦帰宅。その後殺しの天使が牙をむき事態が急変し入院、血液検査を行い、血液透析などの処置により病状は軽くなり退院することができました。殺しの天使は、腹痛、下痢を起こした後重篤な事態にしてしまいます。
殺しの天使「ドクツルタケ」に似ているキノコ
■シロタマゴテングタケ
ドクツルタケは、殺しの天使の異名をもっていますが、気になるのは他に似ていて毒をもった仲間が生息しているかです。シロタマゴテングタケは猛毒ランキングベスト3に入るほどの毒をもっています。
夏から秋に発生して、傘の大きさは5㎝から10㎝、真っ白な見た目ですが柄にささくれがありません。これも1本食べただけで命を落とす猛毒があるため破壊の天使といわれています。
■シロオオハラタケ
シロオオハラタケは、傘の大きさは、5㎝~20㎝で饅頭のように丸みが特徴です。あの殺しの天使にそっくりです。シロオオハラタケは、春から秋にかけて山林に発生します。
見た目は、真っ白ではなく少し灰色がかった白色です。柄の部分を触ると黄色く変化します。毒はなく、食べることができますが、肉は固く味を感じません。シロオオハラタケは、あの殺しの天使に似ているため見分けが難しく注意が必要です。
■シロフクロタケ
シロフクロタケは、春から秋にかけて草原や河原などでよく見かけます。傘の大きさは、5㎝から15㎝ほどで白いため、あの殺しの天使と区別が難しいです。白い傘の表面は、滑りがあります。
つぼみの時は、殺しの天使と見分けがつきません。しかし、発生する季節が殺しの天使とは違います。また柄の部分にギザギザがないのでよく確認すれば見分けがつきます。多くの情報には見分けが難しいため、食べることをおすすめしていません。
殺しの天使「ドクツルタケ」に関するQ&A
- ドクツルタケはなぜ殺しの天使といわれるのでしょうか?
そもそもドクツルタケの名前の由来は、白い柄がスラッと伸びている姿から鶴に例えられました。毒を持った鶴のような見た目のきのこを意味しています。殺しの天使といわれる所以は英語で、デストロイングエンジェルという名称からです。
- ドクツルタケの見分け方を教えてください。
殺しての天使といわれるほどの恐ろしいきのこです。一般的に白いきのこは、毒キノコの可能性が高いといわれています。柄にササクレがあるかないかを確認する必要があります。
- ドクツルタケを取ってしまったらどうすればよいでしょうか?
採ってしまったら、家に持ち帰らずその場で処分してください。殺しの天使は、危険なのでむやみに触らないことが大切です。ドクツルタケに触っても発症しません。しかし触った手で口や顔を触ると危険です。触ってしまったらすぐに手を洗うことです。
殺しの天使は危険性が高い猛毒キノコ

殺しの天使といわれるドクツルタケは、どれだけ恐ろしい毒を持っているのか調査しました。ハイキングなどで訪れる山中のあちらこちらに生えています。見た目が真っ白で鳥の卵のようなので、ついつい採ってしまいそうです。しかし殺しの天使は、静かにたたずんで待っています。
残念ながら日本国内では、採って家で調理をして中毒になってしまう事例が後を絶ちません。殺しの天使の仕業は、下痢吐き気だけでなく内臓を壊してしまいます。安易に見慣れないキノコを採って食べてしまわないように気をつけましょう。

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