山菜採りに必要な道具やマナーを紹介
自然の恵みを味わえる山菜採り。寒い季節が明け、気温が上がってくると山菜採りのシーズンとなります。
人気のスポットは多くの人で賑わいますが、意外と知られていないマナーや注意点もあり、初心者の方にとっては難しく感じてしまう場面もあるでしょう。
この記事ではマナーや注意点に加え、山菜採りに最低限持って行きたい道具やおすすめの服装を紹介します。
そもそも山菜って何?
山菜とは畑などで育てられる野菜とは異なり、山などに自生する植物のことを指しています。
近年では山菜も食用として人工的に育てられていることから明確な定義はありませんが、「野生の野菜」と聞くとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
冬が明け、だんだんと暖かい気候になってくると山菜採りの季節です。マナーや注意点をよく確認して山菜採りを満喫しましょう。
■山菜採りがおすすすめな時期や場所
山菜には沢山の種類があり、わらびやこごみなど比較的メジャーなものから希少性の高いものまで、食べられる山菜は何百種類とあります。
野菜にも旬があるように山菜にもそれぞれ収穫できる時期が異なりますが、多くの山菜が旬を迎える春頃が初心者にもおすすめの時期。里山や河川敷などで見つけることが出来ますよ。
夢中になるとどんどんと山奥へ行きたくなってしまうため、安全に山菜採りを行うためにも初心者の方は体験ツアーなどを利用することもおすすめです。
山菜採りに適した服装
安全に山菜採りを行うためには適切な服装で行うことが必要です。
ラフな格好で草をかき分けていると肌が草木でかぶれてしまう恐れもあります。自分自身を守る為にもこの時はおしゃれよりも安全性を重視した服装を選ぶようにしたいですね。
■露出部分を減らす
湿気の多い山などには蚊やヒル・ダニなどさまざまな吸血動物が生息しています。
露出部分が多いと、吸血動物に噛まれる危険性や、草木をかき分ける時に肌が直接触れてしまうと肌荒れや思わぬケガに繋がる恐れもあります。
そのため、山菜採りに行く際は露出部分が少ない、長袖・長ズボンを着用しましょう。 吸血動物に噛まれた場合、赤く腫れ上がるだけではありません。危険な病原菌を体内に運んでくることもあるので要注意です。
■速乾性のある素材
山菜採りに限らず、登山やキャンプなどのアウトドアには速乾性のある素材を選びましょう。
山菜採りの服装は、直接肌に触れる衣服の素材選びも大切です。 急な天候の変化や、汗をかいた場合に速乾性の素材でない場合は、いつまでも乾かずに体に張り付いたりと不快な思いをすることもあります。
まだ比較的涼しい季節の春先でも日中外に出ていると汗ばんでくることが多く、快適に過ごせるように速乾性のある素材でできた衣服を着用しておくことがおすすめです。
■靴底の形状
山菜採りでは急な斜面やぬかるんだ山道を歩くことになるため、山菜採りでは靴選びも重要になります。
履き慣れた歩きやすい靴がベストですが、山用のトレッキングシューズや、靴底にスパイクがついたスパイクシューズもおすすめです。
ぬかるんだ道を歩くので長靴で行きたい方も多いでしょうが、滑りやすい靴は遭難の危険につながるため注意が必要です。長靴でも靴底にスパイクがついたタイプも販売されているので、スパイクがついた長靴を準備しましょう。
■革製の手袋を選ぶ
山道には普段見かけないような様々な植物が生えていて、中にはトゲをもっていたり、直接肌が触れてしまうとかぶれてしまう植物も存在します。
山菜採りに行く時に手袋は必須となりますが、庭の雑草抜きなどでは活躍する軍手も山菜採りでは少し頼りない場面が出てくるでしょう。 安全性のことも考慮して、山菜採りのシーンでは軍手ではなく革製の手袋がおすすめです。
軍手よりも断然厚みがありトゲのある植物を触っても肌を傷つける心配も要りません。軍手よりも費用はかかりますが、耐久性も強く長く使用できるものなので用意しておくといいでしょう。
山菜採りに用意しておく持ち物
山菜採りのスポットによっては山の中に入っていくことになるため、万が一の事態に備えておくようにしましょう。
また道中ずっと身に着けて動くため、コンパクトな軽量タイプ・野外でも使いやすいアイテムを選ぶといいですね。
■はさみやカッター
はさみやカッターナイフは山菜採りの必須アイテム。どちらも山菜を採取する際に使用するアイテムですが、山菜の種類や生えている場所によってハサミが使いやすいシーンやカッターナイフの方が使いやすいシーンなどシチュエーションはさまざま。
採取するシーンに応じて使い分けられるように、どちらも用意しておくとスムーズに採取が行えるのでおすすめです。
特にハサミは手袋をした状態でも扱いやすい、キッチンバサミのような指を入れるところが大きめの物を選ぶといいですよ。
■熊よけスプレー
山菜採りや登山でクマに遭遇して被害にあった、というニュースを目にすることもあるでしょう。普段の生活では熊に遭遇することは滅多にありませんが、山菜採りなどで山奥に入り込んだ際にはクマに遭遇してしまう可能性もゼロではありません。
万が一遭遇してしまった際に自分自身を守るため、催涙スプレーに似た効果を発揮する熊よけスプレーをお守り替わりに身に着けておくと安心です。
熊スプレーは効果や本体のサイズもさまざま。使用期限なども含め内容をよく確認しておきましょう。
■熊鈴
熊は人の存在に気が付くと逃げることが多いです。 襲ってくる熊は好戦的なのではなく、自己防衛のために人を襲うともいわれていますよね。
お互いに望まない接触を避けるためにも、熊鈴で人の存在を知らせておくことが大切です。
熊鈴を選ぶときにはしっかりと音の響くタイプが効果も高くおすすめですよ。 しかし中には例外もあり、鈴の音を聞いても逃げない熊もいます。万が一、遭遇してしまった場合も適度な距離を取り、熊よけスプレー等で対応するようにしましょう。
■携帯電話のバッテリーと防水カバー
険しい山に入る場合、遭難の危険もあるため携帯電話はライフラインとして、とても大切なものになります。
位置情報の利用等で使用していない間も、携帯のバッテリーは消耗していきます。万が一、遭難した時に充電がなくて、連絡がとれないということが無いように、携帯電話のバッテリーを準備しておきましょう。
また、急な雨によって携帯電話が濡れて、故障することがあります。急な雨で携帯電話が故障しないように、防水カバーを用意しておきましょう。 忘れがちですが、携帯電話のバッテリーと防水カバーはとても重要なアイテムです。遭難してしまった場合の状況も考えて、道具の準備をしておきましょう。
■虫よけスプレー
山の中ではさまざまな虫が生息しています。注意しておきたいのが、ダニや蚊などの吸血動物です。その中でも、マダニは咬まれると感染症を引き起こすこともあるため、注意しておきましょう。
マダニを寄せ付けないためにも、虫よけスプレーは持っておきたいものです。最近では、スプレータイプの虫よけだけでなく、シートタイプのものも販売されています。
虫よけスプレーによって対象となる虫が異なる場合があるため、使用する際には裏面を確認し避けたい虫が含まれているか事前に調べておくことも重要です。
山菜採りのマナーや注意点
山菜採りにはさまざまな注意点や、知っておきたいマナーなどがあります。
特に山菜採りを行ううえでのルールは知らないと違法行為となり、罰則を受けてしまう場合もあるので、トラブルを事前回避するためにもしっかりと確認しておきましょう。
■①:山菜取りが行える場所は事前に確認する
山菜は里山や河川敷など意外と身近なところに生えているものですが、むやみに山菜採りを行うのはNG。 目的地が私有地の場合は所有者の許可がない限り立ち入ること自体してはいけませんよね。
全国的に有名なスポットとなっているところでも、山菜採りは禁止されている場合もあります。 知らなかったではすまされない問題となってしまうので、山菜取りを行う場合には目的地が山菜取りが行える場所であるかどうかを事前に確認しておくようにしましょう。
■②:木や茎を折らない
1本の木や茎から多くの山菜が採れる場合がありますが、その場合でも枝や茎を折って取らないようにしましょう。
枝や茎ごと折る行為は、折られた植物にとって大きな負担となり致命傷となってしまう可能性もあります。 枝を折って採取できるのはその時だけです。今後、その木や茎から山菜が採れることはありません。
今後も多くの人が山菜採りを楽しめるように、また環境保全の観点からも、してはいけない気を付けておきたいポイントです。
■③:食べられる分だけを採る
山菜はどれも美味しいものばかりで、沢山生えている場所を見つけるとついたくさん採りたくなってしまいますよね。 しかし、必要以上に採ってしまうと、株自体に大きな負担がかかり枯れてしまう恐れがあります。
一度株が枯れると、今後その株が再生することはなく山菜も採れなくなってしまいます。 ここは沢山採りたい気持ちをグッと抑えて、余すことなく自分が食べられる分だけをとるようにしましょう。
次に山菜取りに来られる方や植物にも配慮を忘れないようにしたいですね。
■④:野生動物に注意する
山菜採りに限らず、登山など山の奥に入っていくような行動は野生動物に遭遇する可能性がゼロではないことを覚えておきましょう。
鳥や小動物であれば観察も楽しみのひとつになりますが、中には危険も伴うケースもあるため細心の注意が必要です。
目的の場所にどのような野生動物が生息しているのか、事前に調べておくと、装備を変えたり予測しながらの行動が出来るので安心ですね。 万が一遭遇してしまった場合にも慌てず、野生動物をなるべく刺激しないように柔軟に対応できるようにしておきましょう。
■⑤:食べてはいけない毒草に気を付ける
山菜の中には食用でない、食べると体調を崩してしまうような有毒の種類もあります。知識がないままの山菜取りはリスクがあることを覚えておきましょう。
セリと酷似した毒草「ドクゼリ」など、素人目では分からない食べられる山菜と区別が難しい物もあるため慣れないうちは個人で行くよりもツアーや体験イベントに参加する方法がおすすめです。
食中毒を防ぐためにも、食べられるかどうか分からない判断が難しい物は食べないようにしましょう。
全国山菜取りのおすすめスポット3選
山菜採り未経験の初心者の方でも安心して山菜採りが楽しめる、おすすめのスポットを全国各地の中から厳選して紹介します。
自分で見つけた山菜の味は格別。これからの季節のアクティビティに是非とり入れてみてはいかがでしょうか。
■山菜採りにおすすめの場所①:【北海道】ふぁーむいん冨田
自然豊かな北海道黒松内町に位置する農家民泊で、春には山菜採りの体験を行うことが出来ます。
時間を忘れて、ゆったりとした休日を過ごすのにピッタリ。宿泊や地域の家庭料理が味わえることも楽しみのひとつですね。
黒松内町で見られるブナ林は、貴重な観光スポットでもあります。
山菜採りを目的に行くと、ちょうど新緑がきれいな時期でしょう。1度ではなく、何度も足を運びたくなるスポットです。
住所 | 北海道寿都郡黒松内町添別160 |
---|---|
電話番号 | 0136-72-4225 |
公式サイト | 「ふぁーむいん冨田」公式サイト |
■山菜採りにおすすめの場所②:【神奈川県】清川リバーランド
コテージやバンガローのある清川リバーランドでは、山菜採りの他にも魚のつかみ取りや釣りなど体験型のイベントが多く、ファミリー層にも人気の高いスポットです。
人工小川なので水位も浅く、小さなお子さんでも大人と一緒なら安心して川遊びが楽しめます。 設備もしっかりと揃っているので、バーベキューなどアウトドア初心者の方にもおすすめですよ。
住所 | 神奈川県愛甲郡清川村煤ケ谷2450 |
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電話番号 | 046-288-3715 |
公式サイト | 「清川リバーランド」公式サイト |
■山菜採りにおすすめの場所③:【兵庫県】古川農園
明石海峡大橋を渡ってすぐ。淡路島にある農園です。 春にはふきのとうやわらびなど数多くの山菜採りが楽しめるうえに、時期が合えばたけのこ堀りも体験することが出来ます。
施設内ではバーベキューをすることも出来るので、味覚狩りを楽しんだ後にバーベキューなんて贅沢も。 県立淡路島公園などの施設に隣接していて、ご家族やグループでのお出かけにもおすすめなスポットです。
住所 | 兵庫県淡路市岩屋3187-1 |
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電話番号 | 0799-72-4192 |
公式サイト | 「古川農園」公式サイト |
マナーを守って安全に山菜採りを楽しもう!
これからシーズンを迎える山菜採り。山奥など場所によっては危険も伴う場面もありますが、下調べや準備をしっかりと行っておけば自然を肌で感じられる最高のアクティビティのひとつです。
特に初心者の方は今回紹介した体験ツアーなども取り入れながら、知識をつけていくのがおすすめ。注意点やマナーを守り安全に山菜採りを楽しみましょう。
春の山菜の種類や特徴まとめ!天ぷらなど美味しい食べ方もチェック!
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旅行とアウトドアが好きです。2匹の猫とゆったり過ごしています。