野生のエノキタケの特徴や食べ方を紹介!
野生のエノキタケは、毎年11月頃から翌年の春先までコナラ、ヤナギ、榎木の切り株などに発生します。私たちがスーパーで見かけるエノキタケは、白くて細長いのですが、自然のエノキタケは黄褐色や茶褐色です。傘の大きさは、8㎝ほどにも成長します。
軸部分は、短く周りにうぶ毛のような物があります。白いエノキタケと比べて野生のエノキタケは、粘り気と旨味がしっかり味わえます。あまり知られていない野生のエノキタケについてその特徴や食べ方について調査しました。
野生のエノキタケの特徴と栽培品との違い
■特徴①見た目
天然のエノキタケは、寒くなる頃にコナラなどの切り株に発生しますが、スーパーで売られているエノキタケは、品種改良され、環境を調整した工場で栽培されます。同じ種類なのに色や形が全然違います。
木々で育つエノキタケは、全体的に黄色がかった茶褐色で、傘の大きさは8㎝ほどになるものも。軸は太めで短く表面にはうぶ毛がみられ、特徴的な見た目です。天然エノキタケと種類は同じですが、品種改良や温度管理などにより、色や形が大きく変わりました。
■特徴②独特の甘い香り
エノキタケの特徴のひとつが甘いような独特の香りです。この香りは、エタノールや酢酸エチルという成分が含まれているためです。エタノールは、熟した苺を思わせ、酢酸エチルは、パイナップルのような香りです。
白いエノキタケも開封した時同様の匂いを放ちます。独特の匂いは、エノキタケが痛んでしまったのではないかと心配になりますが、問題はありません。
■特徴③間違えやすいキノコがある
きのこ狩りで、もしエノキタケを採取する場合、気を付けるポイントがあります。それは、山中には色や形が似通っているけれど、猛毒を持っているきのこがあるからです。
ニガクリタケは、野生のエノキタケと色や形がよく似ていますが、大変危険なきのこなので採らないようにしてください。もし誤って食べてしまうと激しい下痢や嘔吐などの症状が現れます。劇症肝炎を引き起こした例も報告されています。
エノキタケかニガクリタケかを見分けるポイントは、エノキタケは軸が黒っぽいのに対して、ニガクリタケは、黄色かかった茶褐色です。エノキタケを見つけたら軸が黒っぽいことを確認しましょう。
■天然と栽培品との違い
天然のエノキタケの特徴は、傘が大きくて軸は短めで全体の色が茶褐色です。栽培種のエノキタケは、品種改良や栽培環境などにより細長くて白色です。料理をする前の下処理の仕方にも違いがあります。
山で採取したエノキタケは土汚れや虫がついていることがあるため、塩水で浸して虫だしをします。よく洗ったら沸騰した湯でしっかり加熱をしましょう。栽培種のエノキタケは、石づきを切り取るだけですぐ調理できます。
野生のエノキタケの栄養成分と食べ方
■野生のエノキタケの栄養成分
食物繊維(3.9g) | 糖質の吸収を抑える働きをしてくれます。 |
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カリウム(340g) | 血圧の安定 |
ナイアシン(6.8g) | ビタミンのひとつで、タンパク質代謝に必須です。 |
ビタミンB1(0.24g) | 糖質からエネルギーを生み出して、 疲労回復の働きをします。 |
グルタミン酸 | 旨味成分です。 |
エノキタケのカロリーは、100g中22kcalで、食物繊維や旨味成分のナイアシンが多く含まれています。またカリウムも豊富なので、むくみ予防になります。免疫力アップや腸の働きを整えてくれるので毎日の食事に取り入れましょう。
■食べ方①汁物や煮物などに使う
野生のエノキタケは、加熱すると粘り気が出ます。また傘部分が大きいので鍋物や味噌汁などのレシピがおすすめです。ざっくり切ることにより、独特の歯ごたえを楽しめます。
エノキタケは、旨味成分であるグルタミン酸が多いのが特徴です。いくつかの食材と組み合わせることで、濃厚な旨味とだしを味わえます。ただし軸部分は、固くて消化が悪いので取り除きましょう。
■食べ方②生食はNG
エノキタケは、生では食べられません。その理由は、フラムトキシンという物質が、赤血球の膜をもろくして、全身に酸素を送る働きをする、ヘモグロビンが流出する恐れがあるからです。生焼け状態でも危険なので食べ方には注意しましょう。
誤って食べると吐き気、腹痛や冷や汗など食中毒のような症状がでます。調理するときは、生焼けにも注意してしっかり加熱調理をしましょう。他にも、生焼けの状態でお酒と一緒に食べるとアレルギーの症状が出る危険もあるので、覚えておいてください。
エノキタケのおすすめレシピ
旨味や栄養たっぷりのエノキタケを使ったレシピを紹介します。調理が簡単なレシピなのでぜひ作ってみてください。
■野生エノキタケの味噌汁
野生のエノキタケは、土や虫がついているのでしっかり洗っておきましょう。下処理が終わったら、エノキタケを鍋に入れて加熱しましょう。味噌を入れておろすとき、柚子の皮を刻んで入れると風味が増します。
■野生エノキタケ炊き込みご飯
道の駅などで販売されている天然のエノキタケは、下処理の手間が省けます。しかし採取してきた場合は、傘の裏の土や虫はしっかりと洗い落さなければいけません。下処理が終わったら適当な大きさにカットして、他の具材と一緒に炊飯器に入れます。
■天然エノキダケの醤油漬け
野生エノキタケは、土の汚れを落とし、塩水に浸して虫を出します。沸騰した鍋に入れてしばらく湯がきます。しっかりと火を通すことが大切です。火からおろし水気をきり、調味液に漬け込みましょう。多くのレシピでは調味漬けには日本酒を用いますが、甘めの味付けの場合は、みりんを加えましょう。
■えのき茸のカリカリ揚げ
調理をするときのポイントは、エノキタケをフライパンに平らに広げると火が通りやすくなります。このレシピは、チーズがこんがり焼けて香ばしくなります。作り置きしておくとお弁当のおかずにも使えて便利です。
■エノキタケのパスタ
栽培種のエノキタケを使う場合は、石づきを切り落とし、ほぐしておきます。エノキタケは、パスタ麺と一緒に表示の時間より1分短く茹でます。きのこの旨味とパスタ麺が絡んでよりおいしく仕上がります。
野生のエノキタケを食べてみよう!
天然エノキタケの特徴や食べ方についてまとめました。天然エノキタケは、栽培種エノキタケと見た目や旨味も違いました。キノコに含まれる旨味成分のグルタミン酸は、天然のエノキタケの方が多いという特徴があります。
したがって味噌汁や煮物といったレシピがおすすめです。ただし、エノキタケは必ず加熱調理しましょう。そしてエノキタケと見間違えるニガクリタケを食してしまわないように注意しましょう。食べ方に注意して天然エノキタケを食べてみましょう。
旅行とアウトドアが好きです。2匹の猫とゆったり過ごしています。