山菜と毒草の見分け方を解説します。山菜と似た毒草を一覧でまとめて、その見分け方をチェックしましょう。また、日本三大毒草と呼ばれている、特に危険なものは要チェックです。山菜採りを行う際に、野草の見分け方の方法や特徴を知るための参考にしてください。
アウトドアで山散策や山登りをする人も多いでしょう。春先はタンポポが美しく咲き、山菜採りのシーズンとなり、美味しいものも豊富です。
しかし、タンポポなどの山菜採りを行う上で注意点があります。それは、山菜と似た毒草が存在するのです。大量に食べてしまうと、命の危険性につながることもあるのです。そのため、見分け方を学ぶことが重要といえます。
それぞれの見分け方を紹介するので、基本的な注意点をしっかりとおさえておきましょう。特に間違えやすい日本三大毒草は要注意です!
そういった日本三大毒草を含め、間違えやすいものを一覧で見分け方を含めて解説します。危険な野草はこごみに似たものや、ノビルに似たものまで様々です。一覧を参考に見分け方の参考にしましょう。
山菜と間違えやすい「日本三大毒草」というものが存在します。中には毒矢の毒に使われるものまであるのです。
そんな日本三大毒草と間違えやすいものを、しっかりと覚えておきましょう。まずは、「ドクウツギ」という野草になります。
ドクウツギはドクウツギ科コリアリア属の野草です。別名「一郎兵衛殺し」、「ネズミゴロシ」、「イボノキ」となっており、その怖さを感じるかもしれません。
きれいな実をつけますが、中毒性が強く、激烈な麻痺症状を起こします。そのことが原因で、呼吸停止になる死亡事例が多くあるのです。
特にきれいな実が原因で、子どもの中毒事例が多くあります。好奇心旺盛な子どもと山に登る際は、要注意な毒草といえるでしょう。
セリに非常によく似ている毒草が「ドクゼリ」です。ドクゼリも日本古来の1つになります。タンポポの綿毛のような、たくさんの小さな白い花がまとまって咲くのが特徴で、セリと見分けが付きにくいといえるでしょう。
ドクゼリはセリと比較すると、全体的に大型なのが特徴となっています。また、葉にセリ特有の香りがなく、葉柄も長くなるのです。
食べると呼吸困難、麻痺、嘔吐、意識障害に陥ります。死亡事例も多く存在しており、セリと見分けがつかない場合は、決して食べないようにしてください。
日本三大毒草の中でも、最も危険なのが「トリカブト」です。名前は聞いたことがある、という人も多いかもしれません。
花が日本古来の衣装である鳥兜、烏帽子に似ていることから、トリカブトと名付けられたと言われています。
採集時期によって毒の強さが異なるものの、食べると嘔吐や呼吸困難、臓器不全を起こします。トリカブトに含まれる毒は最強といわれ、0.2gから1gほどで死につながるほどなのです。
問題は解毒剤がない、という点が最強に危険といえるでしょう。花が咲いているときは特徴的ですが、若葉の状態ではシドケやニリンソウに似ています。その状態のときは、最強の毒を避けるために注意しましょう。
山菜に似ている毒草と見分け方を解説します。まずは、美味しい山菜として有名なこごみに似た野草との見分け方です。
こごみは、茎の付け根に濃い緑の線が入っています。こごみに似た野草にはシダ植物があります。シダ植物にはわらびや、ゼンマイが含まれますが、こごみに似た一部のシダはアレルギーの悪化や下痢を引き起こすのです。
こごみは茎の線が、こごみに似た植物との見分け方につながります。また、こごみの葉には胞子嚢と言われる、ブツブツとした小さな粒のようなものは現れません。
こごみに似たシダ系の野草を見つけたときは、無理に食べないことも大切です。食べる際に少ししがんで、おかしいと感じたらすぐに食べるのをやめましょう。
山菜採りで収穫されることの多いノビルですが、ノビルに似た野草としてスイセンがあげられます。
ノビルに似たスイセンは全体に毒を含んでいますが、特に球根部分が毒性が強いのです。ノビルは球根部分が玉ねぎのような味わいがあります。そのため、ノビルに似たスイセンの球根を食べてしまうわけです。
ノビルに似た野草のスイセンと見分ける方法は、においです。ノビルはネギのようなにおいがあり、スイセンにはありません。また、ノビルの球根は丸く、スイセンはフラスコのような形状になっています。
こういった植物は、しゃがんだときにしっかりとにおいや根元を確認しましょう。上から見ただけでなく、しゃがんだ状態で確認すると違いに気づきやすいです。
ヤブカンゾウは新芽がアクが少なく、美味しい野草です。ヤブカンゾウはユリ科の多年草で、ラッパ状の花が特徴的といえるでしょう。田んぼのあぜ道などでもヤブカンゾウは見かけることがあります。
このヤブカンゾウに似た野草にキツネノカミソリというものがあります。ヤブカンゾウの特徴である花の形状も近いため、見間違えることが多いのでしょう。
ヤブカンゾウとの見分け方としては、開花時期が異なります。ヤブカンゾウは6~7月頃、キツネノカミソリは8月を過ぎてからです。花の色がオレンジ系で似ているので注意しましょう。
お彼岸の時期にヤブカンゾウらしきものを見つけて、花が咲いているときはキツネノカミソリの可能性があります。ヤブカンゾウの花は真夏にはあまりみられないことを、忘れないようにしましょう。
天ぷらにすると美味しいフキノトウですが、ハシリドコロという野草と似ています。同じような芽ができるため、勘違いしやすいのでしょう。
フキノトウとハシリドコロの見分け方は、白い綿毛です。フキノトウの苞には白い綿毛がありますが、ハシリドコロにはほとんどありません。また、ハシリドコロは芽の中に、葉が重なり合っているのも見分け方です。
花が無いと見分けにくいのがニリンソウとヤマトリカブトです。どちらも、タンポポの葉のような葉っぱをしていますが、ヤマトリカブトは毒性が強いです。最強とまではいかないまでも、麻痺症状が原因で死亡することもあります。
見分ける方法として、花に注目しましょう。ニリンソウは春先に白い花、ヤマトリカブトは秋頃に紫色の花が咲くのです。
また、ニリンソウは茎がほとんど立ち上がりません。ヤマトリカブトは成長すると、茎が立ち上がって1mほどになることもあります。
紹介した一覧の中でも危険な野草です。最強と言われるトリカブトに近い毒性を持っており、要注意のものといえるでしょう。
山菜として人気の高いオオバギボウシですが、バイケイソウという野草と間違える人が多いです。
バイケイソウは全体が毒を含んでおり、天ぷらや煮ても毒は消えません。食べてしまった場合、麻痺症状が出て、意識不明の重態になることもあります。
見分け方は、オオバギボウシは葉脈が外へ出っ張っており、バイケイソウは縦に折りたたまれているように、くぼんでいるのです。
葉の付き方も異なり、オオバギボウシは地面の底から出るような形で、長い葉柄があります。バイケイソウは茎に交互に葉がつき、葉柄も無いのが見分け方のポイントになります。
2017年に死亡事故が出たのがイヌサフランです。山菜のギョウジャニンニクと似ているため、間違って食べてしまったのが原因でした。
どちらも旬が5月のため、間違えることが多いそうです。見分け方として、においがポイントになります。
ギョウジャニンニクは、その名前の通り強烈なニンニクのにおいがするのです。また、茎の根元が赤紫色なのに対し、イヌサフランは緑色で、根が球根上になっています。
- 山菜と毒草で特に気をつけるシーズンはありますか?
特に毒による被害が出やすいのは、春先です。春は山菜狩りのシーズンとなっており、多くの被害が出ています。さきほどの一覧の中の間違いやすいものは特に気をつけましょう。
- 毒草の中毒症症状にはどういったものがありますか?
毒の種類によって異なりますが、下痢、嘔吐、麻痺症状がでます。ただし、食あたりのイメージに多い下痢ですが、毒草の場合にみられないこともあるのです。下痢ではなくても、身体のしびれなどを感じたらすぐに病院に行きましょう。
- どうやって見分ければいいですか?
たとえば、タンポポのように花を鑑賞するだけのイメージが強いものでも、山菜として食べると美味しい修理があります。そういった経験をすると、いろいろなものにチャレンジしたくなるかもしれませんが、一年を通して、近くの山のどのあたりに、食べられる山菜が生えているか確認しましょう。一覧の見分け方にもありますが、新芽の時期に確認したり、花が咲いてから確認したりと、見分けやすい時期が異なるからです。
山菜と毒草の見分け方について紹介しました。フキやタンポポなど美味しい山菜がありますが、一覧のように野草には毒性が強いものがあります。特にトリカブトは最強の毒の持ち主で危険です。
見分け方には葉や花、開花時期など様々な方法があります。こごみやノビルに似たものに、危険なものがあるなど、山菜採りは素人には難しい部分があるのです。
最初必ず専門家や地元の人と一緒に行いましょう。山菜採りでは、フキやタンポポなど様々な美味しいものに巡りあえます。それだけに素人判断は危険です。十分な知識を身に着けてから行うことをおすすめします。
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山菜と毒草の見分け方!知っておきたい食べると危険な植物は?
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