ドクツルタケを食べてみたらどうなる?殺人きのこの味や生息地も

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ドクツルタケを食べてみたらどうなるか解説!この記事では、実際にドクツルタケを食べてみた人の実例を踏まえながら、危険性について紹介しています。殺人きのこと呼ばれるドクツルタケの味や生息地・場所を解説しているので、きのこ狩りの参考や注意点にしてください。

ドクツルタケを食べてみたらどうなる?殺人きのこの味や生息地も

目次

  1. ドクツルタケの危険性を徹底解説!
  2. ドクツルタケの特徴
  3. 主な生息地・場所
  4. 小さいうちは円錐形
  5. ササクレで覆われている
  6. カサの下にツバ
  7. 根元にはツボがある
  8. ドクツルタケの味
  9. ドクツルタケ販売等禁止の法律
  10. ドクツルタケの中毒症状
  11. ドクツルタケの中毒症状①コレラ様症状
  12. ドクツルタケの中毒症状②消化管出血
  13. ドクツルタケの中毒症状③肝臓機能障害・黄疸
  14. ドクツルタケの中毒症状④腎機能障害・尿毒症
  15. 実際にあったドクツルタケを食べた一家全滅事件
  16. ドクツルタケ中毒の治療法
  17. ドクツルタケ中毒の治療①胃洗浄
  18. ドクツルタケ中毒の治療②血液透析
  19. ドクツルタケに似たきのこ
  20. シロタマゴテングダケ
  21. シロオオハラタケ
  22. シロフクロタケ
  23. ドクツルタケQ&A
  24. ドクツルタケは絶対に食べてはいけない猛毒きのこ

ドクツルタケの危険性を徹底解説!

きのこ
キャンプなどのアウトドアしていると、群生している様々なきのこを見かけるでしょう。山できのこ狩りをするのが趣味、という人もいるかもしれません。
しかし、きのこという食べ物は専門家でも誤って毒きのこを食べてしまうことも。日本では約2000種類のきのこが確認されていますが、その中で毒きのこは約150種類あります。特に中毒性が強いのは約50種類もあるのです。
そんな毒きのこの中で特に見かけるのことが多いドクツルタケの危険性、そして食べてみたらどうなるのかを解説します。ドクツルタケの生息地や食べてみた際の味や症状も注目しましょう。

ドクツルタケの特徴

主な生息地・場所

大きなきのこ
ドクツルタケの特徴を解説します。主な生息地や場所は広葉樹林、針葉樹林の地上になります。時期としては夏から秋にかけて目撃されることが多いです。
極端な言い方をすれば、生息地や場所を選ばず、非常に分布が広いきのこです。里山から深山まで森の中ならどこでも見かける、といえるほど。きのこ採りに出かけたら探すつもりはなくても数本は目にするでしょう。
生息地や場所としてイヌシデやコナラの雑木林でも確認されています。非常に生息地や場所がありふれた場所になっており、数も多いです。

小さいうちは円錐形

円錐形のドクツルタケ
形の特徴を紹介します。小さいうちは「円錐形」の形になっています。白いツクシのような形をしており、見た目は可愛らしいといえるかもしれません。
そんな可愛い見た目と裏腹に食べてみたときの症状は強烈なので要注意。生息地や場所が広大なだけに見慣れてしまって警戒心が薄れる可能性もあります。

ササクレで覆われている

白いきのこ
成長してくると円錐形の形からカサが開いて、ササクレで覆われていることが確認できます。同じ見た目が似ている毒きのこの「シロタマゴテングタケ」にはササクレは無い、という違いもあるのです。
毒きのこの怖い点は見た目はとても似ていても、無害なものもあれば、非常に毒性の強いものがあるという点。特に自然の中に群生しているきのこは、食べて初めて毒きのこと気づく、ということも多いといわれています。

カサの下にツバ

ツバのついたきのこ

ドクツルタケはカサの下に刀のツバのようなものが付いています。襟巻きのようなものをイメージすると良いかもしれません。小さいときは確認しにくいですが、大きくなるとはっきりとツバがあるのがわかります。

根元にはツボがある

大きなカサの白いきのこ

根元にはツボと呼ばれる受け皿のようなものが確認できます。ツボは落ち葉などに埋もれていて確認できないことも多く、種類を確認する際は根元までしっかりと見るようにしましょう。

ドクツルタケの味

きのこや野菜の調理
ドクツルタケは別名「殺しの天使」と呼ばれています。つまり、その美しい見た目に対して致死量はわずか1本ほど。日本で最も毒性が強いと考えられており、毎年のように死者が出ています。
奇跡的に食べてみたものの助かった人によると、味は温和で美味しいとのこと。ただし、多くの人は食べてみた結果、命を落としています。匂いは松茸とは異なり、特別なものではないそうです。

ドクツルタケ販売等禁止の法律

大小サイズの違うきのこ
毒キノコを食べてみたことで、しびれや幻覚症状を引き起こすことがあります。野生のきのこを市販していることで、危険な症状を引き起こすことが続いていました。
そういった状況を踏まえ、2020年6月6日以降は幻覚性きのこの栽培・販売・所持・使用は法律によって禁止となったのです。専門家ではない人が安易にきのこを販売することに関わるのはおすすめできません。

ドクツルタケの中毒症状

ドクツルタケの中毒症状①コレラ様症状

小さなきのこ
販売などが禁止されているドクツルタケ。その中毒症状は一家全滅を引き起こすほどのものなのです。そんな中毒症状について解説します。
食べてみた瞬間に症状が出るわけではなく、6時間から24時間後にコレラ様症状というものがあらわれます。これは腹痛、嘔吐、下痢などを意味しており、1日ほどで治まることがあります。
しかし、この症状は一時的に治まっただけで治療を行わないと体内で恐ろしいことが引き起こされるのです。

ドクツルタケの中毒症状②消化管出血

大きなカサのきのこ

食べてから治療せずに1週間ほど経つと、肝臓や腎臓の組織が破壊されます。その際、消化管出血という現象が発生。胃や腸などから出血が起き、便に血が混じります。

ドクツルタケの中毒症状③肝臓機能障害・黄疸

無数の白いきのこ

症状が進行すると肝臓機能障害や黄疸が発生します。黄疸というのは眼球や皮膚が黄色くなる状態で、一般の人でも見て分かるほど顔色に変化が確認できるのです。

ドクツルタケの中毒症状④腎機能障害・尿毒症

一箇所から伸びているきのこ

その他にも腎機能傷害や尿毒症が発生。ドクツルタケを食べてから死亡するまでには数日かかることが多いとのこと。この間に適切な治療を受ければ助かることもありますが、非常に苦痛を伴う上に、後遺症が残るそうです。

実際にあったドクツルタケを食べた一家全滅事件

大きなきのこと小さなきのこ
ドクツルタケによる死亡事件は様々存在します。また、過去には一家全滅になったことも。きのこを食べてみたことで一家全滅といわれると、その怖さが感じられるかもしれません。
日本だけでなく、中国でも一家全滅の例があるのだとか。日本でも天ぷらにしたドクツルタケを食べた一家全滅したという噂もあります。
一家全滅に近い形では1993年に起きた例を紹介します。ある年老いた夫婦が裏山で採ったきのこをナスと煮て食べました。深夜に激しい嘔吐、下痢が発生したものの症状はいったん治まったそうです。
そのため、特に治療などは受けずに自宅療養。すると翌日起きた時に妻は死亡しており、本人も緊急搬送されました。ドクツルタケを食べたことが原因と判明し、容態は一時安定したものの急激に悪化。約1週間後に亡くなっています。
この男性は亡くなった時、肝臓などに正常な組織はほとんど残っていなかったとのこと。ドクツルタケの食べてから少し症状が治まる点は、要注意といえるでしょう。

ドクツルタケ中毒の治療法

ドクツルタケ中毒の治療①胃洗浄

もし、ドクツルタケを食べてしまった場合はすぐに医療機関を受診しましょう。また、その際は食べてしまったきのこを持参することがおすすめです。
毒物を食べてしまった場合、多くは胃洗浄が行われます。胃洗浄は水や生理的食塩水などの洗浄液を使って行います。理想的な胃洗浄は摂取してから1時間以内です。また、モノによっては4時間以上経過していても効果があるといわれています。
難しいのはドクツルタケは食べてから中毒症状が出るまで時間がかかる、という点です。初期症状があらわれるまで6時間ほどかかるため、胃洗浄の効果が薄れることが多いのだとか。そういった点も致死率が高い理由なのでしょう。

ドクツルタケ中毒の治療②血液透析

赤いカサのきのこ
胃洗浄だけでは治療としては万全ではありません。毒によって臓器などが破壊されていくため、血液透析が必要になってきます。
血液浄化法や血漿交換、輸液や肝保護剤など様々な治療法が検討されるとのこと。解毒剤によってトキシンという毒物が肝細胞に取り込まれるのを阻害する方法もあります。
いずれにしても、早期発見が一番のポイント。外国などの市場で販売されているよくわからないきのこなどは、味が良くても手を出さないのが吉です。

ドクツルタケに似たきのこ

シロタマゴテングダケ

カサが開いたきのこ
ドクツルタケに似たきのこを紹介します。大事なことは「白いきのこは食べないこと」といえるでしょう。ちゃんとしたお店で販売されているものは別として、山などの場所で見かけても白いきのこは採らないのが安全です。
白いきのこは味が良いものがありますが、毒性の強いものと見分けが付けにくため、一家全滅の被害などを起こさないためにも要注意。また、ドクツルタケに似ているもので「シロタマゴテングタケ」というものがあります。
見た目は似ていますが、柄にササクレが無いのが違いです。また、サイズもやや小ぶりとなっています。
シロタマゴテングタケも食べると24時間程度でコレラ様症状が発生。こちらも一家全滅の危険性がある毒性の強いきのこなのです。

シロオオハラタケ

かごに詰まったきのこ
白いきのこはすべて毒、というわけではありません。たとえば「シロオオハラタケ」は食べることが可能です。ただし、味は美味しいとまではいえず、食感もかため。カサは卵型やまんじゅう型になっているものが多くみられます。
また、大型になるものもあり、ヒダは独特のピンク色になることも。夏から秋にかけてみかけることが多いです。
味がそれほど良いわけではなく、販売されることはほぼありません。何よりも毒性のあるものと間違えることも多いため、避けるのが無難でしょう。

シロフクロタケ

落ち葉に埋もれたきのこ
ドクツルタケと見間違える人が多いのが「シロフクロタケ」といえるかもしれません。比較すると柄にササクレがなく、ツバもありません。
こちらも食べることは可能。食べてみた人によると味はそれほど悪くないようですが、とにかくドクツルタケと似ているため危険です。間違っても販売するようなことは避けましょう。
食べてみた人たちによると、毎年同じ時期に同じ場所に生えているからチャレンジできるとのこと。丸くドーム状のカサは可愛らしいと感じるかもしれません。また、粘性も少なく、変異元といわれているオオフクロタケは粘っこい見た目です。

ドクツルタケQ&A

ドクツルタケを避けるにはどうすればいいですか?

基本的に「白いきのこは食べない」を守りましょう。ある事例では白いきのこを見つけた際に、たまたまいた人に「それは食べれるよ」と言われて食べたところ、ドクツルタケで中毒症状に陥った、という出来事もあったそうです。

ドクツルタケの見分け方はありますか?
ドクツルタケによく似ていると言われている、シロマツタケモドキというものがあります。味はエリンギに近く、マツタケの近縁種。しかし、基本的に販売はされていません。
その理由はやはり見分けがつけにくいためのようです。ドクツルタケの特徴であるササクレに似たようなものがあり、一緒に並べられると分からなくなるほど。専門家でも判断に困るほどなので、素人に見分ける方法はない、と考えましょう。
そもそも味は美味しいの?
いろんなきのこを食べてみた人たちによると、真っ白いきのこはあまり美味しいものはないのだとか。その中で美味しいのは オオイチョウタケやシロゲカヤタケ といわれています。
では、ドクツルタケの味は美味しいのでしょうか?間違って食べてしまった人によれば、味はそこそこなようです。とはいえ、何も白いきのこの中から美味しいものを探す必要はないといえるでしょう。
もし、白いきのこを食べたいと思った場合、ネットなどでオオイチョウタケなどは販売されています。しっかりと信用できる販売所で購入しましょう。
一家全滅って本当?
ドクツルタケを食べて一家全滅した、というのは噂止まりのようです。しかし、夫婦での死亡例は確認されており、毎年のように死者がでています。
また、ドクツルタケは1本(8g程度)で、体重60kgの人を死亡させるほどの毒を持ちます。ドクツルタケに限ったことではありませんが、毒きのこによる死亡事故は多く食べた人のほうがリスクがあがります。
一家全滅にならずに助かる場合、たまた食べた量が少なかった、ということも。漢字で書くと「毒鶴茸」と書くそうですが、一家全滅にならないまでも食べたら死ぬ、と考えて避けましょう。

ドクツルタケは絶対に食べてはいけない猛毒きのこ

白いきのこと草花
ドクツルタケを食べてみたらどうなるか、について解説しました。また、ドクツルタケの生息地や場所、また味や販売に関する点も合わせて紹介しています。
もし、ドクツルタケを含む、白いきのこを食べて体調に違和感を感じたら1秒でも早く治療を受けましょう。胃洗浄などの治療は早期に行うことが求められます。また、きのこ狩りなどで白いきのこは入手しないことをおすすめします。
日本一毒性が強いと言われているドクツルタケ。白くて可愛らしい見た目ですが、「殺しの天使」という異名を持つほど危険です。きのこ狩りは専門家の指導の元、安全に気をつけて行いましょう!
浅倉恭介

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浅倉恭介

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