山あいにあるキャンプ場は、夏でも涼しく過ごせたり、自然の静けさを満喫できたりと、多くの魅力があります。しかしその一方で、平地とは大きく異なる「気温の変わりやすさ」が存在します。日中は汗ばむほど暖かくても、朝晩は一気に冷え込むことが珍しくありません。
この寒暖の落差に対応できない服装で過ごしてしまうと、快適さを損なうだけでなく、体調不良につながる可能性もあります。
この記事では、標高が高い場所でのキャンプを想定し、気温の変化に柔軟に対応するための服装選びと重ね着の考え方を詳しく解説します。これから山側のキャンプ場に挑戦したい方はもちろん、何度か経験して「思った以上に寒かった」と感じたことがある方にも役立つ内容です。
なぜ山に近いキャンプ場は寒暖差が大きくなるのか

標高が上がることで起こる温度の変化
一般的に、標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるといわれています。平地と比べて数百メートル高い場所にあるキャンプ場では、同じ地域でも体感温度がまったく異なることがあります。
朝晩は放射冷却の影響を受けやすい
山に囲まれた場所では、夜間に地表の熱が逃げやすく、日没後から急激に冷え込む傾向があります。天気が良いほど冷えやすく、「晴れているから暖かいだろう」という判断は危険です。
気温差を甘く見ると起こりやすいトラブル
体が冷えて疲労が溜まりやすくなる
寒さを我慢した状態が続くと、体は無意識にエネルギーを消耗します。その結果、翌日の疲労感が強くなったり、活動量が落ちたりすることがあります。
寝苦しさや睡眠不足につながる
夜間の冷え込みに対応できないと、寝袋に入っても寒く感じ、何度も目が覚めてしまうことがあります。睡眠の質が下がると、翌日の行動にも影響が出ます。
服装選びの基本は「調整できること」

一枚で完結させない考え方
標高のあるキャンプ場では、「これを着ていれば大丈夫」という一枚完結型の服装は不向きです。暑い時間帯と寒い時間帯の両方を想定し、脱ぎ着しやすい構成を意識しましょう。
重ね着を前提にした準備が重要
気温の上下に対応するためには、複数の衣類を組み合わせるレイヤリングが有効です。これにより、こまめな体温調節が可能になります。
ベースになるインナーの選び方
汗冷えを防ぐ素材を意識する
日中は意外と体を動かす場面が多く、汗をかきやすくなります。汗が冷えると一気に体温が奪われるため、吸湿性と速乾性に優れたインナーを選ぶことが大切です。
綿素材は避けたほうが無難
コットンは着心地が良い反面、乾きにくく冷えやすいという弱点があります。標高のある場所では、化学繊維やウール混素材の方が安心です。
中間着で温度調整の幅を広げる

フリースや薄手の上着が活躍する
中間層には、軽くて保温性のあるアイテムが向いています。朝晩の冷え込み対策としてだけでなく、日中に少し肌寒いときにも役立ちます。
収納しやすさも重要なポイント
昼間は不要になることも多いため、コンパクトに畳めるものを選ぶと持ち運びが楽になります。ザックや収納ボックスに余裕を持たせることも快適さにつながります。
外側を守るアウターの考え方
風を遮ることが体感温度を左右する
山に近いキャンプ場では、風が冷たく感じることがあります。防風性のある上着を一枚用意しておくだけで、体感温度は大きく変わります。
防水性があると天候変化にも対応できる
天気が変わりやすい場所では、突然の雨や霧に見舞われることもあります。防水性を備えたアウターがあれば、寒さと濡れの両方を防げます。
下半身の冷え対策も忘れずに

上半身だけでなく脚も冷える
冷え対策というと上半身に意識が向きがちですが、脚元も意外と冷えやすい部分です。特に朝晩は、地面からの冷気を受けやすくなります。
重ね履きできる構成が理想
薄手のパンツの下にインナーを重ねられるようにしておくと、冷え込んだ時間帯でも対応しやすくなります。動きやすさを損なわないサイズ感を選ぶことがポイントです。
季節別に考える服装の工夫
春や秋は油断しない準備が必要
日中は過ごしやすくても、朝晩は冬に近い冷え込みになることがあります。軽装で来てしまい、後悔するケースが多い時期でもあります。
夏でも防寒アイテムは必須
夏だからといって、薄着だけで過ごせるとは限りません。標高の高い場所では、夜に10℃以下になることもあり、防寒着がないと寒さに耐えられなくなります。
寝るときの服装も快適さを左右する

就寝時は締め付けない服を選ぶ
体を休める時間には、血流を妨げないゆったりした服装が向いています。保温性とリラックス感のバランスが大切です。
日中とは別の着替えを用意する
汗をかいた服のまま寝ると、体が冷えやすくなります。就寝用として乾いた服を用意しておくと、快適に眠れます。
よくある失敗例とその対策
荷物を減らしすぎて寒さに耐えられない
「軽量化」を意識しすぎて防寒着を省いてしまうと、現地で後悔することになります。最低限の暖かさを確保する装備は削らないようにしましょう。
天気予報だけを鵜呑みにしてしまう
平地の気温だけを見て判断すると、実際の体感と大きくズレることがあります。標高や立地条件を考慮した準備が必要です。
服装の準備がキャンプ全体の満足度を左右する
標高のあるキャンプ場では、気温の変化を前提にした服装選びが欠かせません。重ね着を基本とし、脱ぎ着しやすい構成を意識することで、寒暖の差があっても快適に過ごせます。
自然環境に合わせた準備ができていれば、朝の澄んだ空気や夜の静けさといった、山ならではの魅力を存分に楽しめます。
「少し多いかな?」と思うくらいの備えが、結果的に安心と快適さにつながります。次回のキャンプでは、ぜひ服装の組み立てから見直してみてください。

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