アウトドアブームの定着とともに、近年人気を集めているのが「ロースタイル」を取り入れたキャンプです。地面に近い位置で過ごすこのスタイルは、写真映えや雰囲気の良さだけでなく、「長時間いても体がラク」「翌日に疲れを残しにくい」といった声も多く聞かれます。
しかし一方で、「腰や膝が痛くなりそう」「立ったり座ったりが大変なのでは?」と不安を感じる人がいるのも事実です。そこで本記事では、ロースタイルがなぜ体への負担を軽減しやすいのかを解説しつつ、快適性を高める具体的な工夫や道具選び、初心者が陥りやすい失敗例まで詳しく紹介します。
これからロースタイルに挑戦したい方はもちろん、すでに実践しているけれど「もっとラクに過ごしたい」と感じている方にも役立つ内容になっています。
ロースタイルとは何かを改めて整理する

ロースタイルとは、チェアやテーブル、焚き火台などを低めに配置し、地面に近い目線で過ごすキャンプスタイルを指します。従来のハイスタイルでは、脚の長いチェアや高めのテーブルを使用するのが一般的でしたが、ロースタイルでは座面が20〜30cm程度の椅子や、地べたに近い生活空間が中心となります。
このスタイルが注目されるようになった背景には、以下のような理由があります。
・自然との一体感を感じやすい
・焚き火を囲みやすく、会話が生まれやすい
・道具がコンパクトになりやすい
・体への負担が軽減されやすい
特に「疲れにくい」という点は、長時間キャンプを楽しむ人や、ファミリー・ソロキャンパーの間で高く評価されています。
なぜロースタイルは体がラクに感じやすいのか
重心が低くなることで筋肉の緊張が減る
ロースタイルでは、体の重心が自然と低くなります。重心が安定すると、無意識に行っている姿勢維持のための筋肉の緊張が減り、結果として肩や腰への負担が軽くなります。
ハイチェアに長時間座っていると、実は太ももや腰回りの筋肉が緊張し続けることがあります。ロースタイルでは足裏がしっかり地面につきやすく、自然な姿勢を保ちやすいのが特徴です。
姿勢の自由度が高い
ロースタイルでは、椅子に深く腰掛けるだけでなく、あぐらをかいたり、片膝を立てたりと姿勢のバリエーションが豊富です。同じ姿勢を続けることが疲労の原因になるため、こまめに姿勢を変えられる点は大きなメリットです。
また、背もたれに寄りかかるだけでなく、前屈みになったり横を向いたりと、自然な動きがしやすいのも特徴です。
焚き火との距離が心身のリラックスにつながる
焚き火を低い位置で囲むロースタイルは、炎との距離が近くなりやすく、視覚的・心理的なリラックス効果が高まります。リラックス状態では交感神経の働きが落ち着き、体の緊張が解けやすくなります。
結果として「気づいたら長時間座っていたけれど、思ったより疲れていない」と感じる人が多いのです。
ロースタイルで疲れにくくするためのチェア選び

座面の高さは低すぎないことが重要
ロースタイル=とにかく低い椅子、というイメージを持つ人もいますが、実際には低すぎる座面は立ち上がる際に膝や腰に負担をかけることがあります。
初心者におすすめなのは、座面高が25〜30cm程度のチェアです。この高さであれば、地面に近い感覚を楽しみつつ、立ち座りも比較的スムーズに行えます。
背もたれと角度をチェックする
疲れにくさを左右するポイントのひとつが背もたれの形状です。背中を点ではなく面で支えてくれるタイプや、やや後傾した角度のものは、長時間座っても腰が痛くなりにくい傾向があります。
また、ハイバックタイプのローチェアは首や肩の負担を軽減しやすく、焚き火を眺めながらくつろぎたい人に向いています。
地面との相性も意識する
芝生や土のサイトでは問題なくても、砂利サイトでは椅子の脚が沈んだり、安定しなかったりすることがあります。脚部が広めのチェアや、接地面積が大きいモデルを選ぶと安定感が増し、無駄な力を使わずに済みます。
テーブルとレイアウトが快適性を左右する

手を伸ばした位置に物がある配置が理想
ロースタイルでは、テーブルが低くなる分、物の配置が非常に重要です。飲み物や調理道具を取るたびに前屈みになると、知らず知らずのうちに腰に負担がかかります。
座った状態で軽く手を伸ばせば届く範囲に、テーブルやサイドテーブルを配置することで、動作のストレスを大きく減らせます。
サイドテーブルの活用で動きを減らす
メインテーブルとは別に、小さなサイドテーブルを設置することで、立ち上がる回数を減らすことができます。特にソロやデュオキャンプでは、最低限の動線で完結するレイアウトを意識することが、疲労軽減につながります。
地面に近いスタイルだからこそ必要な対策
クッションやマットで体圧を分散する
地面に近い生活では、どうしてもお尻や腰に体重が集中しがちです。チェアの下に薄手のマットを敷いたり、クッション性のある座布団を使ったりすることで、体圧を分散できます。
これにより、長時間座っても痺れや痛みを感じにくくなります。
冷え対策は疲労防止にも直結する
ロースタイルは地面からの冷気を受けやすいため、冷え対策は必須です。冷えは血行不良を引き起こし、結果として疲れやすくなります。
春秋でも地面に近い部分は想像以上に冷えるため、断熱性のあるマットやブランケットを活用しましょう。
ロースタイルに向いている人・向いていない人

向いている人の特徴
・ゆったり過ごす時間を重視したい
・焚き火や自然を眺めるのが好き
・設営や撤収をシンプルにしたい
・荷物をコンパクトにまとめたい
このような人は、ロースタイルの恩恵を受けやすく、疲れにくさも実感しやすいでしょう。
向いていない可能性がある人
・膝や腰に強い不安がある
・立ち座りの動作が多いキャンプをする
・調理中心で頻繁に動き回る
ただし、これは完全に不向きというわけではありません。チェアの高さを調整したり、部分的にハイスタイルを取り入れたりすることで、快適性を確保できます。
初心者がやりがちな失敗とその対策
見た目重視で道具を選んでしまう
SNSや写真の影響で、デザインだけで道具を選ぶと、実際に使ったときに「思ったより疲れる」と感じることがあります。購入前には必ず、座り心地や高さ、重量を確認することが大切です。
いきなり完全ロースタイルにしない
初めてロースタイルを取り入れる場合、すべての道具を一気に変えるのではなく、チェアだけ、テーブルだけと段階的に試すのがおすすめです。自分の体に合った高さや配置が見えてきます。
ロースタイルを快適に楽しむための考え方

ロースタイルで疲れにくく過ごすために最も大切なのは、「無理をしないこと」です。理想のレイアウトやスタイルに固執せず、その日の体調やキャンプの目的に合わせて柔軟に調整することが、結果的に体への負担を減らします。
ロースタイルは、自然と寄り添いながら自分のペースで過ごすための手段のひとつです。正しく取り入れれば、長時間の滞在でも体がラクで、心地よい余韻を残したままキャンプを終えることができます。
これからキャンプのスタイルを見直したい方は、ぜひロースタイルの「疲れにくさ」に注目し、自分に合った形を探してみてください。

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